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北海道で暮らしはじめたワタシの日記

死んで勝ち組「必死剣鳥刺し」

先日、「必死剣 鳥刺し」という、焼きとり屋さんのような名前の邦画を見ました。

豊川悦司が出てて、あらすじに「海坂藩」ってあったので、藤沢周平だ~♪と思って期待して観はじめたわけです。

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しかし、終始、違和感を感じざるをえない。

そんな映画でした。

 

まず、豊川悦司が連子っていう殿の側室を殺めるシーンが出てくる。その後、殺めるに至った理由と思われるエピソードが、いろいろな人の立場・視点・価値観で出てくる。

なるほど、豊川悦司は藩にとって連子が災いの元になると判断して、自らも死ぬ気で殿の側室・連子を殺めたということか・・・。

 

違和感があったのは、そのエピソードなんだよね。

どの人も、殿の寵愛をいいことに着物やら遊びやら贅沢三昧する女、藩の政治にまで口出す女、財政に口を出して勘定方に切腹を申し付けた女って感じで、とにかく悪女っぷりをエピソードで紹介しているわけです。

みんな「あの女さえいなければ」って感じですよ。

確かに、財政緊迫の中、こんな女は市民のお手本にはならないし、時代に合わない女ですよ。映画を見てる視聴者だって、バカ女ってのはわかりますよ。

でもね。

私はひとこと言いたい。

そんな悪女が図に乗るような状態、連子を贔屓しているのは誰なのさってね。

悪女も単品ではそんな権限を持たないはず。

結局、原因はバカ殿の頭の悪さ故でしょうが。

それをあたかもすべて悪女が悪い、というような流れが気に入らない。

悪女を切ったって、それは臭いものに蓋。

臭いの原因そのものはバカ殿なんだから。

 

というわけで、藤沢周平が原作の映画はたいがいしんみり好きなのが多いんだけど、この鳥刺しだけは終始納得がいかないまま、エンディング。

 

連子だけが悪者ってのも納得いかないし、海坂藩の唯一まともそうな武士・吉川晃司も頭に血が上って自滅行為に及ぶし、最後は豊悦が必死剣で家老にブスッとやってくれたけど、諸悪の根源・バカ殿は生きてるし、こりゃこんなバカ殿が治める藩で生きるよりも、ここで死ねた人の方が勝ちかもしれない。。。そんなことを思う映画でした。

 

海坂藩はフィクションだけど、こんな治世の学も才能ない、血筋だけで居座るバカ殿がいる藩はいっぱいあったことでしょう・・・

江戸時代に生まれなくて、ホントに良かった。